偽りの結婚



「ぁ…っ……」


何か言わなきゃ…と思っても声が出てこない。





ポロッ―――


そして声にならない想いは、涙となって頬を伝った。

それを見たアリアは一瞬驚き、辛そうな表情になる。




「アリ…アっ……私……ふっ……っく…」


アリアには言わなきゃ…ラルフを好きになってしまったこと。

誰もが否定するだろうこの想いだが、目の前の親友には話しておきたい。



しかし、溢れだした涙は後から後から流れてくるばかり。

上手く呼吸が出来ずに、言いたいことも伝えられない状態だった。




ピタッ―――


アリアの小さな手が、涙が伝う私の頬を包んだ。



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