偽りの結婚



「シェイリーンの初恋は王子様だったか」


ラルフのことを最低呼ばわりしていたくせに、アリアは嬉しそうに呟く。





「片想いだけど…」


初恋は苦しくて、辛くて、でも心が温まるような甘い恋だった。

ラルフから命を救われた時。

看病してくれた時。

初めての贈り物をもらった時。

ラルフとの思い出を浮かべ、切なくて胸がキュッと締め付けられるような甘い感覚に陥る。





「それで?告白はしないの?」


ラルフとの思い出に浸っているところに、アリアが衝撃の発言をした。



「え?」


心の底から驚いたような顔をする。

だってこの想いは告白できないと思っていたから…




「告白なんて無理よ…」


それは多分ソフィアの存在が歯止めをかけているから。



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