偽りの結婚
「ソフィア様がラルフの事を想っているって考えたら申し訳なくて。私はラルフが離婚を申し出てくれるのを待つだけよ」
後から登場した私が告白など出来るわけがない…
それに伝えたところで、答えは分かりきっているのに。
切ないような悲しいような表情を浮かべて笑う。
「自分の気持ちまで我慢することないのに。離婚すればもう会うこともなくなるのよ?」
いつしか涙が引いた私の手をとり、アリアは優しくそう言う。
離婚すれば会えなくなることは分かってる。
王子と落ちぶれた伯爵令嬢じゃ天と地ほどの差があるもの。
あの夜の舞踏会は国王の勅命だから行けたが、普通に暮らしていれば舞踏会などとは無縁の生活を送っている。
私にとって、ラルフに別れを切り出されるまでがリミットだった。