偽りの結婚



「本当に久しぶりだ。今日は誕生パーティーに来てくれてありがとう」

「こちらこそ、呼んでいただきありがとうございます」


いつもと変わらぬ優しい笑顔を向けてくれるベルナルド。

相変わらず令嬢たちに人気のようだ。

ベルナルドの後ろを見ると、令嬢たちが視線をちらちらとこちらに向けている。





「今日の主役が抜け出してきて良いの?」


アリアもその視線を感じたのか、私の気持ちを代弁するように問う。




「あぁ、ちょっとくらい構わないさ。上辺だけの言葉にも飽き飽きしてたところだ」


ベルナルドは疲れたような表情で溜め息を吐く。




「僕はこんな大勢集まる誕生パーティーじゃなく、毎年のように、アリアとルークとシェイリーンの4人で誕生日を祝いたかったよ。今年はそれも難しそうだが…」


ベルナルドの表情が寂しそうに曇る。



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