偽りの結婚



「そんな…謝らないでください」


ベルナルドがオロオロとしている様子は珍しかった。



何も言わずに消えてしまった私の方が悪いのに。

この兄妹たちは私を責める事をしない。






「私の方こそ何も言わず結婚を決めてすみませんでした。しかも結婚式にも呼ばないで…」


言葉に出す度に罪悪感が増す。




「結婚式に呼ばれても辛いものがあるんだけどね…」


ベルナルドは眉を寄せて困ったような笑みを浮かべながら呟く。




「え?」


どういう意味だろうか。

その言葉の意味を図りかねて声を出すと…




「あっいや……」


ベルナルドは、しまったというような表情をし、目を逸らす。





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