偽りの結婚



「結婚して今、幸せかい?」


ベルナルドが寂しそうな表情で問う。




「……はい」


核心を突くような問いに、一瞬何も言えなくなったが、正直な気持ちを表した。

偽りの結婚をして、令嬢たちに嫉妬の眼差しを受けても、ラルフの傍にいられることがとって幸せだった。




「そうか……」


返ってきた言葉はどこか寂しげで、重い声。




「色んな噂があると思うけど、辛かったらいつでも帰ってきてくれて良いから」


きっとベルナルドも、あの噂を知っているのだろう。

しかし、あえてその噂をあからさまに口に出さないところがベルナルドの優しさであった。




「そうよ。シェイリーンはノルマン家の家族みたいなものなんだからいつでも頼ってね」


アリアもベルナルドに続いて口を開く。





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