偽りの結婚




「あぁ、紹介してくれよ」

「俺たち、是非シェイリーン様とお近づきになりたいんだ」


そう言って男たちはズイッと距離を縮める。



ちっ…近い……

不快感で眉を寄せたが、我慢する。



男たちの言動は甚だ貴族だとは考えられなかったが、この誕生パーティーに来ているということは上流階級の者だろう。

ベルナルドにこんなにくだけた態度をとる男たちだ。

きっと侯爵家の子息だろうことが予想されるため、下手に動けない。



今や王子の妃になった私の方が身分は高いのだが、そんなことはつゆほども浮かばなかった。




「やっぱ近くで見るとキレ―だな」


一人の男が同じ高さに顔をもってきて覗き込む。






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