偽りの結婚
「いいじゃないか、寂しい者同士仲良くしようぜ」
私の決死の抵抗も、この男たち相手では無いも等しかった。
ぃ…っ……
拘束を逃れようとする私の腕に更なる力を込める男。
その表情はどこか躍起になっていた。
こう見えても貴族だ。
伯爵令嬢に振られるなどプライドが許さないのだろう。
しかし、私は一刻も早く手を放してもらいたい気持ちでいっぱいだった。
そして、意を決して口を開く。
「私…結婚してますから……」
自分から結婚を肯定する日がくるなんて思わなかったわ。
ラルフから、からかわれる度に否定していたのに…
ラルフと過ごした日々に心馳せる。
偽りといえど、結婚相手はこの国の王子。
結婚という言葉を出せば、男たちも引いてくれるだろうと思っていた。