偽りの結婚
「私だって抵抗しました」
負けじと、自分のせいではないことを説明しようと口を開くが…
「へぇ……」
口元に意地悪そうな笑みを浮かべて、あれで?とでも言いたげなラルフの顔。
「手を解こうとしたり…」
「それから?」
それだけかと言われているようであった。
ラルフに分かってもらいたいと言う気持ちが前進し、必死に説明する。
「それからっ…放して欲しいとも言いました」
「そうか」
すでにラルフの顔には意地悪な笑みは浮かんでいない。
耳に響くのは優しい声色だった。
そんな優しく促されるようなラルフの声に段々と声が小さくなる。