偽りの結婚
「でも…あの方たちに言っても聞いてくれなくて」
「そのようだな。手首が赤くなっている」
そう言って私の手をとり、赤くなった箇所にそっと唇をあてるラルフ。
「「「「っ!!」」」」
再び、その場の空気がピシッと固まった。
今度はさすがの私も驚き、顔を真っ赤に染め上げる。
しかし、そんな中でもアリアは表情を崩すことはなかった。
「痛かっただろう?」
まるで自分が痛みを感じているかのように眉を寄せ、そう聞く。
しかし、私はそれどころではなかった。
なっ…またこんな場所で……
ラルフの唇が触れた所が熱をもったように熱くなり、もう腕の痛みなど感じない。
もう、真っ赤になった顔でフルフルと首を横に振るので精一杯だった。