偽りの結婚
「こんなに赤くなってるんだぞ。早く帰って手当てしよう」
手当…?
手が赤くなっているだけで?
そんな大袈裟な…と、ラルフの過保護さに驚く。
「このくらい平気…それよりも、まだ挨拶をされる方がいるんじゃないの?」
「それは大体済ませたからいい」
あからさまに嫌な顔をしてピシャリと跳ね返された。
「これで大丈夫なわけがないだろ。帰るぞ」
どうもラルフは湖の一件以来、過保護の一途をたどっている。
強引に私を公の場から遠ざけようとするのだ。
今日もこのまま強引に連れていかれるのかと思いきや―――
「……と、その前に…」
私を腕に抱いたまま、ラルフは目の前の男たちを見据える。