偽りの結婚
ソフィア向けられているような優しさが、自分にも向けられているなんて、なんでそんな勘違いをしたのだろうか。
なんだか、自分がひどく惨めになってきた。
ソフィア様が私を非難するでもなく、侮辱するわけでもなく、心からの笑顔を向けてくれるので余計にそう感じてしまう…
「ありがとう。嬉しいわ」
ラルフの言葉に、手を胸の前で合わせる仕草をしながら嬉しそうに話すソフィアは描いていた印象と少し違った。
お姫様と言ったらしおらしくて、控え目な感じだと思っていたが、ソフィアはどちらかというとアリアのように明るく、お茶目な印象を受けた。
瞳の色もアリアと同じ琥珀色だし、心の底から嫌いになるなんてできないわ…
家柄も、容姿も、身分も…
何の障害もなくラルフと結ばれることのできるソフィアが羨ましくて、時に嫉妬を覚える事もあった。
けれどその嫉妬をソフィアに向けるのはお門違いというものだ。