偽りの結婚



その人の想いはその人のもの。


私がこうして淡い想いをラルフに抱いているように…


ソフィアがラルフを好きなら、それは止められない。


だってそれは私の想いさえ否定することになるから。


それに、私達は条件のもとに結ばれた者同士。





けれど…私がラルフを好きだという気持ちは、別れを告げられるその時までどうか最後まで持っていさせて……

まだ仲睦まじい二人を見るのは辛いけれど…





「まずはパーティーだな」

「私、パーティーは嫌いよ」



そう言ってソフィアは、プイッとあさっての方向を向く。

普段、一国の姫君が人前で自我を出すことはない。

しかし、こうして可愛いわがままを出すのも、ラルフとソフィアが親しい間柄だということだろう。




「しょうがない、夜まで我慢するんだ。きっと素敵なものが見られるよ」


対するラルフも怒るわけでも、呆れるわけでもなくなだめている。


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