偽りの結婚



「シェイリーンさんって目立つものね」


今現在も幾人かの視線を感じる。

ソフィアもそれに気付いたのだろう。




「それは多分、私のような伯爵ふぜいの小娘が王子と結婚したからだと思います」


どこか他人事のように答え自嘲気味に笑う。

この答えにソフィアはキョトンと目を丸くしたかと思えば、笑いを堪えながら口を開く。




「いいえ、そうではなくて、良い意味で目立つのよ。貴方、自分の容姿に自覚を持っていないの?」

「………?」


私の容姿?

なぜソフィア様はそんなことを言うのだろう…

別にアリアのように明るく無邪気な可愛さがあるわけでもなく。

ソフィア様のように一際輝く美貌など持ち合わせていない。

ましてや、このような場では二コリとも笑わない自分が良い意味で目立つ理由が浮かばなかった。



< 309 / 561 >

この作品をシェア

pagetop