偽りの結婚



「女性はともかく、男の人たちの目線まで釘付けにしちゃうから、ラルフは貴方をなるべくパーティーに連れて行きたくないみたいよ」

「そんなことありえません…」


確かに女性からの視線が圧倒的多数を占めているが、男性からの視線も少なくはない。

しかし、きっと男性も伯爵令嬢から成り上がった妃の姿を見て面白がっているのだろうと思っていたため、それとラルフが自分をパーティーに連れて行きたくない理由とがどう繋がっているのか分からなかった。





「ラルフは貴方を見つめる男たちの目線に嫉妬しているのよ」


なんだ…そんなこと……

先程まで考えを巡らせていた頭はスッと冷静になる。




「それはないと思います」


だってラルフはソフィア様の事が好きなのだから。




「あらあら、ラルフの想いは本当に報われていないようね」


ソフィア様は何か誤解なさっているんだわ。



「確かに、ラルフは私をパーティーに連れて行くことは少ないですけど、それはそもそも私がこのような場に慣れていないからなんです」


ラルフだって社交マナーもおぼつかない私を連れて行きたくはないだろう。



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