偽りの結婚
私がラルフに愛されていると笑って言うソフィア様と、儚げな表情で羨ましい言うソフィア様。
どちらのソフィア様にも偽りなどない。
曇った表情からは私を非難するような目線は感じられないから…
だからこそ、のうのうとラルフの妃の座についていることに居た堪れなくなる。
「せめて貴方とラルフは幸せになってね」
諦めともとれる言葉にハッと息を飲む。
もしかして、ラルフを諦めようとしているの?
――――ラルフから婚約破棄を申し出たから?
それは、ソフィア様との未来を政略結婚という形にしたくなかったからなのよ。
その証拠にラルフは毎日女遊びをしていたけど、やっぱりソフィア様の事が忘れられなかったの。
モルト王国から帰ってきた頃から毎日夜も帰ってくるようになったのは、ソフィア様への気持ちを再確認したからだったのだと思う。