偽りの結婚
――――私がラルフと結婚をしてしまったから?
ソフィア様が心配しているようなことは何一つないわ。
ラルフは私の事を好きなわけじゃない。
ただ、私がラルフを好きなだけ。
……だから、ソフィア様がラルフを諦める理由なんてないの。
二人の想いをはっきりと自覚した今、二人の障害となっているのは私…?
私の方がラルフを諦める時が来ているのかもしれない。
言わなければ…
私が“偽りの妃”であることを……
ドクンドクンと、今にも心臓が飛び出てしまいそうなほどの鼓動を刻みながら口を開く。
「あっ……の……」
震える声で口を開いたその時―――
「ソフィアさん、お久しぶりね」
言いかけた言葉は、幸か不幸か、横から割って入ったこの国の王と王妃に遮られた。