偽りの結婚



「心配しなくても良い。今日の夜のパーティーは格式ばったものではないから、別に出席しなくとも良いんだ」

「そうでしたか…」


けれど今日が最後の訪問日。

ソフィア様は明日になればモルト王国に帰ってしまうわ。

二人もきっと最後の夜くらい会いたいはず…


そんなことを思っていると、横から熱を吐きだすようなラルフの息遣いが聞こえた。



「辛い…ですか?」


自分でも分かりきったことを聞くと思った。

普段ラルフが体調を崩すことがないし、多少体調が悪くとも気力でカバーしそう男だ。

それは、ラルフが王子と言う身分ということを理解しているからで、その王子が簡単には公務を休めない立場だからだと言うこともある。

そんなラルフがこうして目に見えて弱った姿を見せるのは初めてで、私も不安になった。
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