偽りの結婚




「あの時は私のせいでそれどころではなくて…」


私は何を舞い上がっていたのだろう…

ラルフが自分の元へ帰ってきてくれて。

それがどんな形でも嬉しくて。




「けれど…」


いつの間にか、自分に都合の良いように錯覚していたのね。

なんて哀れな偽りの妃なのかしら。

少しでも喜んだ自分が馬鹿みたい。



「なんとなく、察しはつきます」


儚げな笑みを浮かべながら小さな声で呟く。




「やっぱりバレバレだったかしら?」


クスッと笑うソフィアはとても綺麗で、幸せそうに見えた。




「シェイリーンさんもお察しの通り、私たち―――「やめて……ください」


ソフィアが言おうとした事に、弾かれたように俯いた顔を上げ、悲痛な声で叫ぶ。


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