偽りの結婚
その声にソフィア様が大きな目を丸くして驚く。
そして、ハッ…と我に返り語尾は小さくなった。
「あっ…あの、ラルフから聞きますから…」
先程の異常な反応を隠すかの如く、焦ったように誤魔化した。
ソフィア様の口からは聞きたくない。
せめて愛しい人の口から…ラルフの口から聞きたい。
「そうね、それが一番良いわ」
余計なことを聞かず、ただ微笑んでそう言ってくれたソフィアに、ほんの少し救われた気がした。
「私…ラルフの様子を見に行ってきますね。もしかしたら、もう熱が引いているかもしれないので」
一刻も早く、その場から去りたかった私はソフィア様にそう告げる。
「ええ、でも今日は大事を取ってお休みした方が良いわ、と伝えてくださる?」
「分かりました。ソフィア様は楽しんで行ってください」
ラルフを恋人として気遣えるソフィアを羨ましく思いながら会場を出た。