偽りの結婚
ラルフの口から言って欲しかった。
それが、私たちの関係を終わらせる言葉だと分かっていても…
もうこんな想いでラルフの傍にいるのは耐えられなかったから。
しかし──────
「何のことだ?」
ラルフは私の言うことに心当たりがないのか、訝しげな表情をする。
何故言ってくれないの?
貴方が私に真実を言ってくれないのなら…
「もう、いいです……」
そう言って、そっとラルフの胸を押す。
頬に当てられたラルフの手も自然と離れる。
「シェイリーン」
諦めたように呟いた私に、ラルフは溜息まじりに私の名を呼ぶ。
「すみません、大きな声を出したりして」
そんなラルフを置いてけぼりにして、私は一人話を続ける。