偽りの結婚
ラルフはいとも簡単に片腕だけで自分の体に縫い付ける様に抱き込み、もう一方の手は髪に差し入れる。
そして―――――
「ふっ……ん……!」
それは、2度目のキス。
キスされていると気付いたのはラルフが私を抱きしめる力を強めた時で…
やっと今の状況を頭で理解した瞬間、瞳が驚愕に見開く。
「んっ…んん……!」
反射的にラルフの胸を押すが、体が軋む程の力を込められ身動き一つさえ出来ない。
1度目のキスは結婚式のときで、触れるだけのキスだった。
そこには、相手を想う気持ちや愛おしい感情などなく、義務的な口づけしかなかった。
しかし、今は明らかに熱を含んでいる口づけで。
まるで感情をぶつけるかのような…
っなんで…なんでこんな事…
抗議の声を上げたくとも、ラルフの口づけは更に深まっていく。