偽りの結婚
初めて自分の中に沸く感情は全てラルフがもたらしたもの。
こんなにも人を好きになって、愛されたいと思ったのもラルフだけ。
その唯一の人とは結ばれないのは、偽りの結婚をした私への罰なのですか?
あやすように背中を撫でられる大きな手に切なさが募る。
「君がいないと寝付きが悪いと言っただろう?」
クスッと笑いながら言われた睦言も、今はただ切ない。
「シェイリーン」
名を呼ぶと、腕の中でビクッと震える私の体。
ラルフはゆっくりと距離をとり、視線を合わせる。
「大丈夫だ、シェイリーン。君を傷つける者にはもう触れさせない」
真剣なラルフの表情に、切なく揺らぐ瞳から溢れる涙が溢れる。