偽りの結婚
するとベルナルドから、はぁ…とお手上げだとでも言いたげな溜息が聞こえた。
「シェイリーンはなぜ寄りによって貴方なんだ」
誰に向るでもない言葉を、独り言のように呟く。
「途中から出てきた貴方に奪い去られるなんて考えもしませんでしたよ」
ふっと笑ってはいたが、切なさが滲み出た笑顔だった。
ベルナルドには申し訳ないとは思う。
自分よりも前にシェイリーンの魅力に気付いて想いを寄せ、大切に見守り続けてきたのだから…
突然出てきた男に奪い去られるなど、我慢ならなかっただろう。
しかし、シェイリーンを愛してしまった。
もう彼女なしでは生きていけないほどに。
シェイリーンがいないと分かった時、どれほどの震えに襲われたか。
キングサイズのベッドにいつも一人で寝ていたにもかかわらず、一人になった途端、違和感を覚えた。
何度シェイリーンを抱き寄せる腕が空を切ったか…
そして、その度に目が覚め、結局熟睡出来なかった。
例えベルナルドが、昔からシェイリーンに想いを寄せていたとしても、今更シェイリーンを手離すことなど出来ない。