偽りの結婚
「そうか、それなら君の出番は一生なさそうだ」
冗談か本気かはさておき、ベルナルドにも認められたようで、ほっと一息つく。
「それは、シェイリーンを取り戻してから言って貰いたいですね」
ニヤリと、意地の悪い笑みを浮かべるベルナルド。
琥珀色の瞳の怪しい光は、妹とそっくりだ。
「あぁ、その為の計画はしている」
ラルフは、呆れ顔を作って答える。
すると、ベルナルドの口から思わぬ言葉が出た。
「一週間後のことですか?」
「知っているのか?」
目を見開き、驚くラルフ。
この計画は、自分とあの少女だけが知っている計画だと思っていた。
「えぇ、アリアから聞いています」
ベルナルドは当然のごとくそう言った。
計画を最初から知っていた?
それが示すことは、一つしかなく。
続いた言葉に、その考えは確かなものとなる。