偽りの結婚



よく見るととても整った顔をしている。

ブロンドの髪は女性が羨むくらい艶やかで、遠く離れた王宮を見つめるのは紺碧の瞳。

服を着ていても分かる精悍な体つきは成人した男性であることを示している。。

ベンチに座っているので定かではないが、おそらく背丈も高いだろう。


こんな女性が放してくれないような人が、よく舞踏会から抜け出してこれたわね。




どこの家のご子息かしら…





「舞踏会には誰かのお連れか何かで来られたんですか?」

「ん?…まぁそんな感じかな?」


男ははっきりとしない言葉で濁しながら答えた。

けれど特に疑いもせず、きっとこの人は舞踏会に招待された令嬢の家族か恋人なのだろうと思った。




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