偽りの結婚
「少し意地悪が過ぎたかな?試したりしてすまなかった」
申し訳なさそうに言うベルナルド。
「試した…?」
まだ、いつもより早い鼓動を刻む心臓を落ち着かせながら呟く。
「あぁ。君は本当はラルフ王子を好きになってしまって離婚をしたんじゃないかと思ってね」
「なんで…?」
予想だにしなかったベルナルドの言葉に、声が掠れる。
ベルナルドの前ではそんな素振りは見せた覚えがなかった。
「うちに来た夜は泣いていたし、溜息ばかりついていただろう?もしかして・・・と思って。けれど、君は簡単に自分の気持ちを認めようとしないと思ったから、強行に及んだというわけだ」
あの夜、泣いていたのを聞かれていたのね。
アリアの胸で思いっきり泣いただけに飽き足らず、この部屋をあてがわれた夜にも泣いていた。
廊下まで聞こえる程の泣き声だったのだろうかと、少し恥ずかしく思う。
「僕に告白された時どう思った?」
不意にベルナルドが問う。
「迫られた時どう思った?触れられた時どう思った?」
私にはもう触れようとはしないものの、琥珀色の瞳は迫ってくるような圧迫感がある。