偽りの結婚
「それは……」
ベルナルドさんは好きだけど、ラルフを好きだと思う気持ちとは違って。
どちらかと言うと家族に向けるような“好き”に似ていた。
だから、告白された時は正直困った。
そして、迫られて、触れられた時は身体と心が拒絶した。
ラルフでなければ嫌だ…と。。
けれど、そんなこと素直に言えるはずないじゃない。
眉を寄せ、言葉に詰まってい私に、ベルナルドはふっと笑って話しだす。
「今思ったことが君の素直な気持ちだよ、シェイリーン。そして、その想いは簡単には消えてはくれない。それは、君自身が分かっているはずだ」
そう…消えてはくれないから、思い出すのだ。
ベルナルドを好きになった方が幸せだと分かっていても、ラルフの顔がちらつく。
想いは鮮明で、離れる程思い焦がれて、ダメだと思うほど、愛しさは募る。
「そう、ですね」
悲しく微笑みながらも、ラルフへの諦めきれない想いを認める。
ベルナルドは私が認めたことに、心の中でほっと息をついたようだった。
そして、私に優しく語りかける様に口を開く。