偽りの結婚



「そうだろうね」


予想通りの答えだと言わんばかりに呟き、益々面白そうに笑っている。

おかしな人ね…なぜ私が王子の姿を見れなかったことを知っているのかしら?




まさか…ッ!


この人は私が落ちぶれたスターン家の伯爵令嬢だということ知っている人なのかもしれない。

そうよね…今日のドレスだってイリアのお下がりで、アクセサリーの類はネックレスしかつけていない。

このネックレスだって、アクセサリー類を一切持っていない私を見かねてアリアが貸してくれたものだし。

冷静に考えれば自分がどれだけ浮いた存在だったかが分かる。





「どうしてそんな事を聞くんですか?」


この人もきっと物珍しい伯爵令嬢を見つけて、からかいたくなっただけかもしれない。

次に来る男の言葉を、警戒しながら待つ。






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