偽りの結婚




男性には免疫がなく、むしろベルナルドのパーティー以来、近づきたくない程だったが、目の前の男性は落ち着いた雰囲気を持っていた。


「いいえ・・・いませんけど。」

嘘をついても後でバレてしまうので、正直に応える。

これが嫌悪を感じる男性ならば、嘘をついてまで逃げたところだが、目の前の男性は品のある紳士のようで、シェイリーンもいつの間にか警戒を解いていた。



「では、踊りませんか?貴方、とても目立っていますよ?」

シェイリーンに相手がいないことを確認し、男はシェイリーンの耳元で囁く。



「っ・・・!本当ですか!?」

こんなにも男性に急接近されたにもかかわらず、気にならなかったのは、男が言った言葉に衝撃を受けたから。



目立つなど、あってはならない・・・・


「えぇ、残念ながら。」

ククッと面白そうに笑いながら、男は答える。


「あっあの・・・では、お受けしたいのですが・・・。」

おずおずと手を差し出すシェイリーン。





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