偽りの結婚
「なぜって、さっきから何度も視線がラルフ王子を追っているから。」
笑いを堪えたような様子で、男は答える。
「・・・・。」
指摘され、何とも言えないような表情をするシェイリーン。
無意識というのは怖いわ・・・
そんなに何回も見ていたつもりはなかったのに。
「ラルフ王子のファンは本当に多いな。令嬢方もラルフ王子を落とすのに必死みたいだ。」
男は可哀想な人を見るような瞳でラルフを見つめ、呟く。
それに、力なく笑い、シェイリーンは口を開いた。
「でも、ラルフ王子はソフィア様がいらっしゃいます。」
「あぁ、あの隣国の姫君か。確かに噂はされているけど、嫉妬心の強い令嬢たちのことだ。噂も信憑性があるかどうか・・・。」
やはり、最初に抱いた印象に間違いはなかったようだ。
噂に惑わされないなんて、客観的なものの見方が出来る方なのね・・・
けれど、私は真実を知っている。
「本当ですよ。」
寂しそうな笑顔を浮かべ話す。
男は、訝しげな表情でシェイリーンを見つめる。
その顔は、なぜ断言できるんだ?と言っているようだった。
しかし、口にしようとしたその時・・・