偽りの結婚





「……ッ!ぁ…わたし…」


先に我に返ったのは私の方で、自分の告げた言葉にオロオロとする。

口元にあてた手はカタカタと小刻みに震えている。



遂に言ってしまった……

想いを伝える事が今日の目的だったが、今はその達成感を味わえるはずもなく。

黙ったまま何も反応がないラルフが怖い。

振られることは目に見えていたが、いざ目の前にすると拒絶されるのが怖くてたまらない。

ベルナルドさんもこんな気持ちだったのだろうか。





「ごめんなさい…こんなこと言うつもりはなくて…あの……」


途切れ途切れに紡ぎだす言葉は謝罪の言葉。

ラルフが何も言わないということは困っている証拠。



「僕は「何も!何も…言っていただかなくて大丈夫です」


口を開きかけたラルフに頭の中で警鐘が鳴り響く。

早くこの場から立ち去れ、と。

次にラルフが口を開く時は自分を拒絶する時。





「答えは分かっていますから…」


拒絶されるのは怖い…



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