偽りの結婚
「なにより私は身分不相応です。王家のご子息などとは釣り合うはずがありません」
そう…いくら爵位を持った家柄とは言え、王家とは釣り合うはずもない。
そもそも、王子が落ちぶれた家の娘など選ぶはずがない。
「へぇ…じゃぁ、君は家柄や財力、容姿に惹かれないと?」
興味津々と言う表情で、私の答えを待つ男。
「はい。私は今の生活が気に入っています」
例え家で働き詰めの生活でも、森でディランと過ごす穏やかな時間や、ノルマン家でアリアの恋の話を聞く楽しいティータイムが私に充実感を与えていた。