偽りの結婚
「王族の権力や財力に惹かれないなんて興味深いね」
この人の周りにはそんなことにしか興味のない女性が多いのだろうか…
よくよく考えてみれば、爵位を持つ家柄の令嬢は、悪く言えば何もせずとも裕福な暮らしが出来るので、関心ごとと言えば将来の結婚相手を探すことだろう。
それに比べ、私の生活はある意味で刺激の多いことばかりだ。
母や姉があんな人でなければ家事をすることもなかったし、ディランにも会うことはなかった。
自分の結婚相手を探すしか興味がわかない人生よりはましだったと今となっては思っている。
「けれど…家柄にも財力にも容姿にも興味がないなら、君は一体何に興味があるんだい?」
男の問いにしばらく考えた後、迷いなく答える。