偽りの結婚
「本です」
「本?」
そんなものに興味があるのかと言いたげな男。
自分から聞いておいて失礼な人ね…
けれど無理もないわ。
私はきっと他の令嬢たちとは興味の趣向が違うのだから。
「パーティーや王子よりも本が好きと言う人は少ないと思いますけど、私は本を読むのが好きなんです」
「それは変わった趣味だ」
男の反応は予想通りだった。
言ったところで理解してもらおうなんて考えていないし、こんな私を認めてもらいたいとも思っていない。