偽りの結婚
「我が家の書庫はこの国一の蔵書数を誇るからね」
目の前の男は自慢げにそう言う。
「そんなことありえないわっ…国一の蔵書数といったら王家の書庫ですもの。いくらあなたの家柄が高貴だろうと、王家の蔵書数にはかなわないわ」
王家は王宮内に国内最大の書庫を有している。
書庫の規模は言わずもがな国内最大を誇るし、王家の書庫にない本はないと言われている。
本が製本されると必ず1冊を王家の書庫に収めなければ発行できないため、王家の書庫にない本などない為だ。
男が言ったことはハッタリに決まっている。
そう思ったけれど、男の笑みは深まり…
「そう…だから言っているじゃないか。我がランカスター王家の書庫が国内最大だと」
ニッコリと…してやったというように笑った男。