霊務
【ヤツらとの戦い!ー15】


まじまじと見つめられ、
礼子は少し落ち着かない
様子。





(何この子
さっきからジロジロと…

ってか、
ゾクゾクするって
風邪ひいてるなら家に
帰れよな)





それでも
とりあえず無視して
読書に集中する。





一方ゴーゴンは、
その石像(礼子)を
ジックリ眺める。





(変ねえ……
私の石化させた
霊かしら…?

……ん?)





ふと見ると、
その手元に黒くなって
いるものの、
札らしき物を発見した。





(ヤダ!
こんなとこにデッカい
札があるじゃない!
しかも強力なヤツ!)





その札を見ている
ゴーゴンを見て、
礼子は札をチラ見する。





(この子、
さっきから何だろ?
なんかあたしの
黒いタオルをジロジロ
見てるし…)





礼子は札のことを
スッカリと忘れ、
その黒くなった札を
タオルと間違えていた。





(なんにしてもこの札は
恐ろしいわ。
化学室のアイツに
処理してもらお…)





っとゴーゴンはクルッと
向きを変えた。





(あ、もしかして
この子風邪ひいてるから
タオル貸してほしいの
かな?)





礼子が生きている頃も
黒いタオルをよく
使っていた。



もう完っ全に
お気に入りのタオルと
勘違いしている。





(だとしたら、
初対面の私に貸して
ほしいって
言いにくいもんね!

よ~~し!)





礼子はゆっくり
立ち上がり、
札をグッと掴んだ。





「はい、
君に貸してあげる★
(一日一善♪一日一善♪)」





優しい礼子は、
お気に入りのタオルを
見知らぬ霊の肩に
かけてあげた。





「うっぎゃああああああああ!!!!!!!!!!」





札を後ろから
モロかけられた
ゴーゴンは、

そのまま
倒れてしまった…
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