霊務
【ヤツらとの戦い!ー17】


礼子は走りながらも、
まだお菓子を探していた





どうやら
自分の作ったお菓子
だけでは、
足りないらしい。





「あ~あ。
しょうがない…
こんな廃校じゃお菓子
なんてないか…
誰かくんないかな?」





と礼子はピタリと足を
止めた。





「ねーねーそこの君。
お菓子持ってない??
できれば、
たけのこの里が
欲しいんだけど」





廊下にいた霊に
礼子は声をかけた。





霊は礼子の言葉に反応し

ゆっくり振り向いた…





「うううぅぅ……」





この霊
目つきがおかしい……

完全にイッてる…





見ると奥にも、
そんな霊達が
目を光らせている。





サキの部下のようだが、
明らかに様子が違う。





だけど、
礼子はそんなこと
気にせず、
トコトコと近付いた。





「ねえねえ、ない?
私の、このお菓子と
交換してもいいよ?
キャントリーマームでも
ないかな?」





「グオオオオ!!」





不用意に近付く礼子に
霊は飛びついた!!!





……が、
礼子の指一つで、
その霊は動けなくなる。





「ダメよ
がっついちゃ。
私のお菓子がいくら
美味しそうでも
交換しないと
食べさせないよ?」





礼子は金縛りを使い、
霊の動きを完全に
止めている。





「グルル!
グオオオオ!!」





他の霊達も
一斉に礼子に
飛びかかる!!





…が、
やはり全員礼子の力で
止められてしまう。





「もうっ
交換する気ないの?
弱肉強食かい」





でも、
自分の料理をこんなに
飛びついてくれるなんて
嬉しいなあ♪


そう礼子は思っていた。

(本当は襲いかかってる
だけだけど…)
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