キミとの恋の課外授業
「高村の事なら、気にしなくていいっスよ」
「村上?それ、どういう事だ?」
省にぃが聞くと、村上くんは、面倒くさそうに、頭をポリポリ掻くと
「あんた達、付き合ってんだろう?その事で高村から、その子が脅されてるんだろう?」
「そう…だけど。なんで分かるんだ?」
不思議そうに聞く省にぃに、見れば分かるよとフッと笑うと
「俺も、その子に悪いことしちゃったし」
あっ…コンビニでの事か…。確かにあの時は凄く怖かったな。
「それに、竜二さんの先輩じゃ、俺らの先輩みたいなもんですから。アイツにナメた真似はさせませんよ」
ニッと笑うと村上くんは、それじゃあと去っていった。
「アイツ…カッコつけやがって」
省にぃがボソッと言うと、あたしの顔を見て
「だってさ。もう心配するな」
あたしの頭を、もう一度鷲掴みにしてワシャワシャと撫でた。
良かった…。ホント…良かった…。
安心して、滲んだ涙を指で拭うと、省にぃの優しい笑顔が見えて…視聴覚室の真っ暗な部屋の中にカーテンの隙間から差し込んだ太陽の光があたし達を照らした。