新アニオタ王子
「今…なんて言ったの?」
驚いていたかと思えば今度は熱があるんじゃないかってくらい顔を赤くして、あたしの顔をまじまじと見つめる。
あたしがもう一度
「目が合うとドキドキするんだってば‼」
と文句ををたれると
「それって…」
そう言ったきり後の言葉を言わない岡本に、あたしはイライラしながらため息を返した。
話しを途中でやめないでよっ!
「僕の勘違い…だよね?」
「何が?」
少し間が開いて岡本が安心したようにもう一度
「勘違いに決まってるよね」と呟きながら台所に戻って行った。
何が勘違いなのかあたしにはよく分からないけど、あたしに分からない事を岡本が一人で分かった様に言うのは
ちょっと頭にくる。
だけど
あたしを突然襲った謎の胸の高鳴りの意味を知りたくて
翌日絶対にあたしより色んな経験がありそうな香月さんになんとなく相談した。
「心臓が激しく動いたりするって…病院には行ったのか?」
「大したことじゃないと思ってるんだ。
今日はなんともないし」
「たまにある症状なのか?」
「ううん、昨日が初めて」
「何かいつもしないような事でもしてたのか?」
「してないよ。友達と一緒にいただけ」
客である岡本と一緒にいたなんて言ったら
即クビになっちゃうから、香月さんには詳しく話せないけど…。