新アニオタ王子
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「マユ、どうしたの?」
「あっ…ごめんなさい」
斉さんとのデート中なのに
さっき香月さんから言われた言葉が頭の中をグルグルまわって集中できない。
斉さんはあたしを
何度も指名してくれる
リッチなリピーターさんなのに…
「何か悩み事?」
「また斉さんに会えて嬉しいなって考えてたの!」
「本当に?」
「疑うの?」
「ごめん。」
斉さんが
夜景の見えるレストランで
ディナーをご馳走してくれた席だっていうのに、あたしったら…他の事を考えちゃうなんてダメだ。
仕事に集中っ‼
「マユ…今夜はこれからどうする?」
意味深な笑顔を浮かべる斉さん。
「斉さんはどうしたい?」
「できるなら俺はマユと二人きりになれる所に行きたいけど。」
「えっ…?」
「嫌かな…?」
斉さんとは過去にもう4回ほどデートをした事があったけれど一度もベッドを共にした事は無かった。
本当の恋人を扱うように
手を繋ぐ所からゆっくりと…
そんな初々しい偽装の恋人。
「それって…」
「そろそろ…もっとお互いを知ってもいいんじゃない?」
ベッドは面倒だけど、断ってリピーターを逃すのは避けたい。
「うん。そうよね…。」