新アニオタ王子
斉さんに抱かれている間ずっと胸を締め付ける罪悪感と、肌を重ねる嫌悪感がつきまとっていた。
隣で寝息をたてている斉さんに申し訳ない気持ちと
初めて感じるこんな気持ちに、どうしようもないくらい悲しくなってバスルームで一人泣いた。
どうしてこんなに苦しいのかも分からなくて…
朝になってもこの苦さはあたしの中に滞在していた。
それもこれも全部岡本のせいだ…。
あいつと出会ってからあたしは自分でも予測不能な行動をとったり…
今まで感じた事もない初めての感情と出会ったり…
あたしの知らない何かがあたしを不安にさせようとしている。
それでも
そんなあたしに気付かない斉さんは最後の時間までショッピングに連れて行ってくれたり
あたしを楽しませようとしてくれていた。
そんな斉さんの気持ちに応えるべく
笑顔を作ってはみたものの
ショーウインドーに映るあたしはまるで感情のない人形のようだった…。
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香月さんに業務終了報告の電話をいれた後、あたしが真っ直ぐ向かったのは岡本の家。
ドンドンッ!!
ドンドンッ!!
何度も扉を叩いても
あいつは出て来ない。
きっと仕事に行ってるんだろうけど
あたしが仕事に集中できなかったのはあんたのせいだって
文句の一つでも言わなきゃ気がすまない興奮状態に陥っていた。
そのまま3時間
ただ
あいつの帰りをドアの前で待っていた。
なかなか帰って来ないあいつを待っている間
いつの間にか文句なんか消え失せて
淋しい気持ちがあたしの心をノックしていた。