偽りの代償
「でも・・いつも心の中には海君がいたの・・罰ゲームでお金で付き合った最低な男なのに・・偽りでも嬉しかったから・・再会して・・あのときはまた気まぐれでやさしいだけだと思って心閉ざしていたけど・・あなたはあのときのことを反省していたのに意地を張ってしまったの・・ごめんね・・」



「いや・・俺のしたことを思えば当然だよ・・」


「アメリカで新薬とリハビリのおかげでだいぶ良くなったとき・・海くんのことをやっと思い出したの・・卓也に聞いても、はぐらかされて暫くわからなかったの・・でも・・私が病気のことを考えてのときための手紙をあの人は見つけてしまって・・」


「手紙?」

「ええ・・私の病気が記憶を忘れて死んでしまうかもしれないものだと知ったとき、書いていたのもの・・一つは卓也へ・・もう一つは海くんへの・・海くんにごめんなさいってそして・・病気のことと、生まれ変わったらもう一度好きになって下さいって・・」

そんなふうにゆいは俺のこと・・・


「それを卓也は見つけて・・罪悪感にとらわれて・・話してくれたの・・私が日本で入院して記憶障害が起こっているとき何をしたのかも・・・そして・・海君が今どうしてるのかも・・」



< 191 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop