アクアマリンの秘密
「誰かが…あたしのせいで危険な目に遭うのは嫌。
あたしには、みんなの命を犠牲にしてまで守るような価値なんてないよ。
だから…蒼刃は…蒼刃の命を優先して。
約束…守って。」

「…泣くんじゃねぇよ。
つーか簡単に俺は死んだりしねぇし。」

「え…?」


さっき止まったはずの涙が、また零れてきた。
その涙を、蒼刃がゆっくりとすくってくれる。


「お前を置いて死んだりしねぇよ。
つーか死んでも死にきれねぇし。
お前みたいな危なっかしいやつなんて、俺が死んだら他に誰が守るんだよ?
お前の破天荒っぷりについていけるのなんて俺くらいだし。」

「なっ…!!」

「だから心配すんな。
俺は死なない。お前も死なせない。あいつにも渡さねぇ。
あいつを倒して、お前を国に返す。
俺たちは…平和な生活を取り戻す。それが最終目標だろ?」

「あたしを…国に返す…?」

「ああ。
お前は…アクアマリンの姫だ。
だから兄貴と一緒に国に返す。
それは最初から決まってたことだ。」

「…あたし…聞いてないよ…?」

「だって言ってねぇし。
でも国に帰ればお前の記憶だって…。」

「…蒼刃はどうするの?」

「え…?」


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