悪の姑シリーズ
 まず一郎が毎日飲んでいるビタミン剤の中身を砒素にすり替え、一郎に気付かれないように新しいビタミン剤を用意した。そして一郎の指紋が付いたビンから、カツコの料理に毎日砒素を入れた。砒素の効果は日を増す毎に表れ、カツコは体調が優れないと寝込む日も増えた。こうして致死量ではなく、少しずつ飲ませることでじわじわとカツコを追い詰める。

 千香子は復讐に燃えていた。

 病院嫌いのカツコは寝込んだまま、相変わらず千香子に文句を云うのだけれど、その勢いはかつてのカツコとは違った。

 一郎には疑われないように、カツコが千香子に文句を云っているところを録音しておき、それをカツコが元気なうちに聞かせておいた。そして一郎はカツコより千香子を信じさせることに成功したのだった。

 体調を悪くしてからも嫌な顔一つ見せず、カツコの看病を献身的にしている千香子を一郎は信じていたのだろう。

 最後の仕上げに、カツコに大量の砒素を飲ませ、あっけなく息耐えたのは夜中だった。一郎はまだ夢の中。砒素のビンをこれ見よがしにカツコの遺体の側へ置き、朝早くになったところで、さも今発見したかのように救急車を呼んだ。異変に気付いた救急隊は警察に連絡したようで、何も知らない一郎はおろおろしていた。

 千香子の思惑通り、警察は調べを進め、一郎がカツコを殺害したと判断したのである。




 喪服姿の千香子は列席者に頭を下げ、一人になるとカツコの遺影を見ながらこう云った。


「あんたが悪いんだからね。さよならクソババア」
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