レンズのスガオ
そーこー話してる間に、教材室。
なんで教材室が内緒話に適しているかっていったら、この教室、ドアにカギがついていないから。

「立ってるのも何だし、ね?」

「イスも何もありませんけど。」

私と関沢くん、は地面にしゃがみこんで話すことにした。
私が棚の影にしゃがむと、そのすぐ隣に関沢くんがしゃがんだ。

うっわ、体近。

この体を売ってお金にしていると思うと、自分も同じ立場なハズなのに、気持ち悪くって、ちょっと距離をおいた。

「今ちょっと逃げたよね、なんかヒドくない?」

「別に…」

「気持ち悪いって思ったんでしょ。自分だって同じ体なのに」

「…私、今佐藤詩唯だから。」
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