千夜を越えて
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「さっき言った組に分かれろ!出動するぞ!」
浅葱色の羽織りを身に纏い、屯所の前に集まる隊士達。
「大丈夫ですか?」
出動前で緊迫した雰囲気の中、沖田が咲夜を気遣う。
「うん…意外と平気。」
咲夜は、池田屋班である近藤らに着いて行くこととなった。
四国屋が本命であると踏んだ土方らは、池田屋に送る人数を減らした。
その代わりに、沖田、永倉、藤堂といった主力を集めた。
池田屋が本命。
わかってても言えない。
咲夜は、もどかしい気持ちを隠し、平気な振りをした。
「そうですか。」
「いくぞ!新撰組出動だー!」
近藤の掛け声で、一斉に屯所を飛び出す。
夜はまだ長い。