∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜
 

 僕はショコラをずっと見ていたかったけれど、残念ながらここには僕が身を隠す場所はなかった。



 僕は仕方なく来た道を引き返す事にした。

「シロ、まだ土手にいるかな?」

 公園に戻った僕は、そのままいつもの土手に向かった。



 土手に着くと、シロは仰向けに寝そべっていた。

 その横には、既にいつものお菓子が置いてあった。

「今日は遅かったなぁ?」

 そう言うシロは相変わらずだった。

 確かに重い病気にかかっているようには見えなかった。



 僕もシロもいつもと同じように、太陽の下、暖かな土手に寝そべって過ごした。

 けれどいつもと違い、僕の心の中はショコラの事でいっぱいだった。


 眠れないよ。


「ショコラ……」





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