∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜
今日もオバサンは、僕にご飯をくれた。
「はい、お食べ」
オバサンは僕が食べる様子をじっと笑顔で見ていた。
「そういえば、ずっと前にもお前にそっくりなワンちゃんが来た事があってねぇ。
あの子はお前みたいに首輪もしていなかったし、本当に野良だったけどねぇ」
「えっ、父さん――?」
僕は思わず食べるのをやめ、オバサンの顔を見た。
オバサンは笑顔で、僕の頭を撫でた。
もしかしたら父さんも昔、ここに来たのかもしれない?
僕は何だか嬉しかった。
僕は貰ったご飯を残さず食べると、オバサンにお礼を言って、再び公園に戻った。
「今日はいろんな事があったなぁ」