∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜
 

 今日もオバサンは、僕にご飯をくれた。

「はい、お食べ」

 オバサンは僕が食べる様子をじっと笑顔で見ていた。


「そういえば、ずっと前にもお前にそっくりなワンちゃんが来た事があってねぇ。
 あの子はお前みたいに首輪もしていなかったし、本当に野良だったけどねぇ」


「えっ、父さん――?」


 僕は思わず食べるのをやめ、オバサンの顔を見た。

 オバサンは笑顔で、僕の頭を撫でた。

 もしかしたら父さんも昔、ここに来たのかもしれない?

 僕は何だか嬉しかった。




 僕は貰ったご飯を残さず食べると、オバサンにお礼を言って、再び公園に戻った。


「今日はいろんな事があったなぁ」







< 39 / 200 >

この作品をシェア

pagetop