私こそ光る☆君~グランプリ編~
「紅月さんは今回、唯一グループではなく個人での出場となっていますが、その辺りはどのように思っていらっしゃいますか?」
候補者達がステージ上に揃ったところで、司会者に話しを振られた。
『そうですね……』
少し考えるようにうつむいてから、顔を上げた。
『僕は僕なりのやり方で、自分のできることを精一杯やる。
ただ、それだけです』
私にできることなんてほんの少ししかないけれど。
“私”にはできなくても、“僕”にはできることがある。
最初はお母さんに言われて、嫌々ながら始めたことだけど、今は胸を張って言える。
“紅月光になれて良かった”と……。
だから、できることは全部やりたい。
気のせいかもしれないけれど。
スポットライトの光が、これから進むべき道を明るく照らし出してくれているような気がした。